2025年度第2回「中2学力推移調査」を分析|国語・数学・英語の出題内容と今後の勉強法

こんにちは。家庭教師歴20年の草谷です。
中高一貫校などで実施される「学力推移調査」について、保護者様から次のようなご相談をいただくことがあります。
「学校の定期テストとは何が違いますか?」
「どの学年の内容まで出題されますか?」
「点数が思うように取れなかった場合、何から復習すればよいですか?」
「次回の学力推移調査に向けて、どのような勉強をすればよいですか?」
学力推移調査は、直前に習った単元だけを確認する定期テストとは異なり、これまでに学習した内容がどの程度身についているかを見る総合的な試験です。
今回は、2025年9月に実施された「第2回学力推移調査・中学2年」の国語・数学・英語について、出題内容や特徴、今後の勉強法をまとめます。
※この記事は、2025年度第2回学力推移調査の問題を分析した内容です。年度によって出題内容や構成が変わる場合があります。
学力推移調査とは?
学力推移調査は、学校の定期テストとは異なり、これまでに学習した内容を広い範囲から確認する試験です。
定期テストでは、直近の授業で扱った教科書や学校ワークの範囲を中心に出題されます。
一方、学力推移調査では、
- 小学校で学習した内容
- 中学1年生で学習した内容
- 中学2年生の前期までに学習した内容
- 複数の単元を組み合わせた問題
- 文章や資料から必要な情報を読み取る問題
- 自分の言葉や式で説明する問題
などが出題されます。
そのため、テスト直前に範囲を暗記するだけでは対応しにくく、普段からの学習の積み重ねが結果に表れやすい試験です。
2025年度第2回・中2学力推移調査の基本構成
国語・数学・英語は、いずれも試験時間45分、100点満点で実施されました。
国語
- 試験時間:45分
- 満点:100点
- 大問1~4:全員必答
- 選択問題:なし
漢字・語句・文法・話し合い、説明的文章、小説、古文が出題されています。
数学
- 試験時間:45分
- 満点:100点
- 大問1~3:全員必答
- 大問4~6:学校の進度に合わせて指定された1題を選択
- 合計4題を解答
基本計算から連立方程式の利用、関数、図形、証明まで、幅広い内容が扱われています。
英語
- 試験時間:45分
- 満点:100点
- 大問1~5:全員必答
- 選択問題:なし
リスニング、文法・語彙、対話文、長文読解、英作文が出題されています。
国語の出題内容と特徴
国語では、知識を覚えているだけでなく、文章の中で正しく使う力や、本文を根拠に説明する力が求められています。
大問1 漢字・語句・文法・話し合い
大問1では、次のような内容が出題されました。
- 漢字の読み書き
- 熟語や慣用句
- 言葉の意味
- 文節の修飾関係
- 話し合いの流れ
- 発言の意図や役割
漢字については、小学校で学習したものから中学2年前期までの内容が広く出題されています。
単に漢字を書けるだけでなく、同音異義語や送り仮名など、文章の意味に合う漢字を判断する必要があります。
また、「役不足」「敷居が高い」など、日常生活で意味を誤解されやすい言葉についても、正確な意味が問われています。
話し合いの問題では、誰が何を主張しているのかだけでなく、
- 前の発言を受けているか
- 新しい提案をしているか
- 意見を修正しているか
- 話し合いをまとめているか
といった発言の役割を読み取る必要があります。
大問2 説明的文章・論説文
説明的文章では、建築家の隈研吾氏による、都市や建築、人間の生活についての文章が出題されました。
主な設問は、
- 比喩的な表現の意味
- 空欄に入る語句
- 原因と結果
- 具体例と筆者の主張
- 本文をもとにした記述
- 文章全体の要旨
などです。
選択問題では、本文中と同じ言葉が入っているだけでは正解になりません。
本文の内容と選択肢が、本当に同じ意味になっているかを細かく比べる必要があります。
記述問題では、本文の一文をそのまま抜き出すのではなく、複数の部分から必要な情報を集め、指定された言葉や字数に合わせてまとめる力が求められています。
大問3 文学的文章・小説
小説では、登場人物の会話や行動から、心情の変化を読み取る問題が中心でした。
特に重要なのは、
- なぜ不安になったのか
- 何を知って安心したのか
- 相手の発言をどう受け止めたのか
- 最終的にどのような決断をしたのか
を、本文中の出来事と結びつけて考えることです。
「不安だった」「安心した」と気持ちだけを書くのではなく、その気持ちになった理由まで説明する必要があります。
大問4 古文
古文では、難しい文法事項を細かく暗記しているかよりも、古文と現代語訳を対応させながら内容を読み取る力が重視されています。
出題内容は、
- 省略された主語
- 指示語が表す人物
- 古語の意味
- 人物の行動や考え
- 人物像の記述
- 現代語訳
などです。
古文が苦手な場合でも、現代語訳や前後の文章を丁寧に確認することで答えられる問題が多くあります。
国語で重視されていた力
今回の国語では、特に次の力が求められていました。
- 漢字や語句を文脈に合わせて使う力
- 本文から答えの根拠を探す力
- 複数の段落を短くまとめる力
- 人物の心情と、その理由を説明する力
- 指定された言葉や字数に合わせて書く力
- 選択肢と本文を細かく比較する力
中学2年生になると、文章を読んで内容を理解するだけでなく、「なぜそう言えるのか」を説明する問題が増えてきます。
数学の出題内容と特徴
数学では、小学校算数、中学1年、中学2年前期までの内容が幅広く出題されています。
計算力だけでなく、条件を整理して式を作る力や、複数の単元を組み合わせて考える力が必要な構成でした。
大問1 基本計算・方程式・関数・図形
大問1は、10問の小問集合です。
主な出題内容は、
- 分数の四則計算
- 分数を含む文字式
- 単項式の乗法と累乗
- 文字式による整数の性質
- 小数を含む一次方程式
- 連立方程式
- 比例
- 反比例
- 図形の移動
- 球の表面積
です。
特定の単元だけではなく、中学1年までの数学全体から広く出題されています。
45分という限られた時間の中で、基本問題を正確に、素早く処理する力が必要です。
ここでの計算ミスが多いと、後半の問題に使える時間も減ってしまいます。
大問2 数式・方程式・図形の総合問題
大問2では、基本公式を覚えているだけでは解けない、少し複雑な問題が出題されています。
主な内容は、
- 等式の変形
- 小数・分数を含む連立方程式
- 平均と文字式
- 円が移動した範囲の面積
- 回転体の体積
です。
特に図形問題では、複雑な図をそのまま考えるのではなく、
- 基本的な図形に分ける
- 大きな図形から小さな図形を引く
- 円の中心がどこを動くか考える
- 円柱や円すいに分ける
といった工夫が必要です。
大問3 連立方程式の利用・条件整理
大問3は、コーヒー豆の購入を題材とした文章問題です。
単価、購入量、割引、合計金額など、複数の条件を整理して連立方程式を作ります。
後半では、
- 200グラム単位で購入する
- 合計を1000グラムにする
- 合計金額を決められた金額にする
- 割引条件を満たす
- ある豆をできるだけ多くする
といった条件を同時に扱います。
単に連立方程式を解くだけではなく、現実の条件を数学の式に置き換え、出た答えが条件に合っているかを確認する必要があります。
大問4~6 学校の進度に応じた選択問題
選択問題では、学校の授業進度に応じて、次のいずれかが指定されました。
- 比例・反比例と座標・面積
- 一次関数と座標図形
- 平行線と角・三角形の合同・証明
一次関数では、直線の式、平行な直線、2直線の交点、三角形の面積などが扱われています。
図形では、合同条件を使った証明や、平行線の錯角・同位角、三角形の面積関係などが出題されています。
数学で重視されていた力
今回の数学では、特に次の力が求められていました。
- 基本計算を短時間で正確に行う力
- 文章中の条件を式に表す力
- 連立方程式を実際の問題に使う力
- 複雑な図形を分割して考える力
- 複数の単元を組み合わせる力
- 途中の考え方や計算過程を書く力
計算問題だけを繰り返すのではなく、文章題や図形問題で「どの知識を使うのか」を考える練習が必要です。
英語の出題内容と特徴
英語では、中学1年までの基本文法を土台として、中学2年前期までの文法・語彙・読解・英作文が総合的に出題されています。
大問1 リスニング
リスニングでは、
- 短い英文とイラストの選択
- スピーチの内容理解
- 会話の空欄補充
- 広告を利用した会話
などが出題されています。
人物、物の数、色、位置、日付、曜日、時刻、値段など、具体的な情報を正確に聞き取る必要があります。
広告を使った問題では、音声だけでなく、紙面に書かれた値段やセール期間なども同時に確認します。
音声と資料を組み合わせて、何を購入するのか、いつ店に行くのか、1人分の代金はいくらかを判断する問題でした。
大問2 文法・語彙・基本表現
文法では、次のような内容が出題されています。
- 現在進行形
- be動詞の過去形
- 過去の否定文
- be going to
- will
- 不定詞
- 接続詞that
- 一般動詞の過去形
- 天気を表す語
- 感情を表す形容詞
- 日常会話表現
- 序数
単に文法の形を暗記するだけではなく、now、tomorrowなどの時を表す語や、前後の会話から適切な時制を判断する必要があります。
大問3 対話文・情報整理
カナダから来る生徒の歓迎パーティーについて、英語部の生徒たちがチャットで相談する場面が出題されました。
文章を読み、
- 誰がどの準備を担当するのか
- 参加者は何人か
- 机やいすはいくつ必要か
- いつ準備するのか
などを表やメールに整理します。
一人の発言だけでは答えられず、複数の発言に分かれて書かれた情報を組み合わせる必要があります。
英語を日本語に訳すだけでなく、必要な情報を探し、整理して使う力を見る問題です。
大問4 長文読解
長文では、病院で活動するファシリティドッグとハンドラーについての説明文が出題されました。
主な設問は、
- 本文の内容に合う英文
- 指示語が指す内容
- 日本語による要約
- 英語による要約
- 人物や動物の関係
- 出来事の順序
などです。
文章量が多いため、最初からすべてを日本語に訳そうとすると、時間が足りなくなる可能性があります。
設問で聞かれている人物や段落を意識しながら、必要な情報を探す読み方が重要です。
大問5 英作文
英作文では、
- 過去の疑問文
- 疑問詞Why
- 過去進行形
- 接続詞when
- 目的を表す不定詞
- 接続詞if
- 会話の流れに合う英文
などを自分で書く力が問われています。
選択肢から正解を選ぶだけではなく、語順、時制、動詞の形、単語のつづりをすべて自分で判断する必要があります。
英語で重視されていた力
今回の英語では、特に次の力が求められていました。
- 基本文法を文脈に合わせて使う力
- 日付・時刻・値段などを聞き取る力
- 複数の発言や資料から情報を整理する力
- 長文の要点をつかむ力
- 本文の内容を日本語や英語でまとめる力
- 習った文法を使って英文を書く力
英単語や文法を覚えるだけではなく、実際の会話や文章の中で使える状態にしておくことが重要です。
3教科に共通する特徴
今回の国語・数学・英語に共通していたのは、単純な暗記だけでは解けない問題が多いという点です。
3教科とも、
- 複数の情報を整理する
- 必要な部分を探す
- 根拠をもとに考える
- 条件に合う形で答える
- 自分の言葉や式で説明する
力が重視されています。
国語では、本文を根拠に理由を説明します。
数学では、文章中の条件を式に置き換えます。
英語では、会話や資料から必要な情報を集め、英文や表に整理します。
教科は違っても、「文章を正確に読み、条件を整理する力」が結果を左右しています。
次回に向けた勉強法
1. 中学1年の内容を後回しにしない
今回の調査では、3教科とも中学1年までの内容が広く出題されています。
中学2年の授業だけを復習するのではなく、中学1年で苦手だった内容にも戻る必要があります。
特に数学と英語は、前の内容がわからないままでは、現在の単元も理解しにくくなります。
数学では、正負の数、文字式、方程式、比例・反比例を確認しましょう。
英語では、be動詞、一般動詞、疑問文、否定文、過去形、代名詞を見直します。
2. 間違いを原因別に整理する
結果が返ってきたら、点数だけを見るのではなく、間違えた原因を分けましょう。
- 知識を覚えていなかった
- 問題文を読み違えた
- 解き方がわからなかった
- 時間が足りなかった
- 計算やつづりを間違えた
- 記述の条件を守れなかった
原因が違えば、必要な勉強も変わります。
答えを書き写して終わるのではなく、「次に同じ問題が出たら解けるか」を確認することが大切です。
3. 基本問題を短時間で正確に解く
学力推移調査は45分で、多くの問題を処理する必要があります。
難しい問題に時間を使うためには、漢字、計算、英単語、基本文法などを短時間で正確に解く必要があります。
普段から時間を測り、
- 数学の基本計算
- 英単語や文法問題
- 国語の漢字・語句
に取り組むとよいでしょう。
4. 記述・英作文を避けない
国語の記述や英語の英作文は、答えを見るだけでは身につきません。
最初は短い文でもよいので、自分で書く練習を続けることが大切です。
書いた後は、
- 問われていることに答えているか
- 必要な言葉を使っているか
- 主語と述語が合っているか
- 文法や語順が正しいか
- 指定された字数に収まっているか
を確認しましょう。
5. 長い文章や資料に慣れる
今回の3教科では、文章・会話・表・広告・グラフ・図形など、複数の情報を同時に扱う問題が出題されました。
普段の勉強でも、短い一問一答だけで終わらず、
- 長文読解
- 資料を使った問題
- 文章題
- 複数の条件がある問題
に取り組む必要があります。
まとめ
2025年度第2回・中学2年学力推移調査は、国語・数学・英語ともに、中学1年までの内容を土台として、中学2年前期までの学習内容を総合的に確認する構成でした。
国語では、文章を根拠に理由や心情を説明する力。
数学では、条件を整理し、式や図形を使って考える力。
英語では、文法や語彙を実際の会話・読解・英作文に使う力。
が重視されています。
点数が思うように取れなかった場合も、すべてを最初からやり直す必要はありません。
まずは答案を見ながら、
「どの単元で間違えたのか」
「知識不足なのか、使い方がわからなかったのか」
「時間不足や読み違いはなかったか」
を整理してみてください。
家庭教師の現場でも、結果だけを見るのではなく、間違いの原因を一つずつ確認し、必要な単元まで戻って復習することを大切にしています。
学力推移調査は、現在の学力を決めつけるための試験ではありません。
今までの学習で身についている部分と、これから復習すべき部分を知るための材料として活用していきましょう。
